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手術の効果に関する3つの説 2010年6月26日 黄斑円孔の手術とは、その原因となっている繊維をとり除いて、眼底の10層でしたか、その一番上の膜を1枚めくって、そのあとガスを入れるというものです。普通の病院では、そのあと2週間のあいだ、ずっと完全うつぶせ状態が必要だそうです。 ところが執刀してくれた医師は、完全なうつぶせ状態は1日でいい、あとは仰向けにならないようにしてガスが消えるまで待てばいいと説明しました。この医師は、そのことを学会で発表するほどの、この病気の専門家です。 伝統的な説は、ガスの浮力によって眼底に圧力をかけ、正しい形にするということだったらしいのですが、それなら確かにずっとうつぶせを続けなければなりません。これを聞いただけで、症状の軽いひとは手術を受けるのに躊躇することでしょう。 執刀した医師は、「浮力ではなくガスの圧力自体が重要で、ガスがあたってさえすればいい」という考えでした。その意味では、1日目も完全うつ伏せではなくてもよさそうです。それで、わたしに「完全うつぶせなしの治験に参加してくれないか」と尋ねました。わたしは、「趣旨はよく分かりました、元気だったらぜひ協力したいのですが」と答えました。 その治験における主題は、「1日目のうつぶせ状態が決定的で、それで眼底が平になるかどうか決まるのか、ともかくガスをいれさえすればそれで大丈夫なのか」ということです。 2010年7月4日 ところがあとになって、別の医師から別の説明を聞きました。その説というのは、ガスがあれば、それで眼のなかに小さな風が起こり、渦巻状に眼底の細胞を立ててくれるというものでした。詩的な表現で、個人的には好きでしたけど、本当でしょうか。わたしは勝手に、某メーカーの洗濯機風に「風アイロン説」と名づけました。 とすれば、こうも考えられないでしょうか。段々水がたまってきたとき、波打ち際の砂浜に作られたお城が、くりかえして打ち返す波によって消えていってしまうようにして、眼底が平になっていくという説。わたしの考えたいい加減な説ですが、それだといつも頭を振っていた方がよさそうです。少しやってみましたが、自分でも信用できませんでしたので、とくに続けませんでした。 |
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トップページ: ある散歩者の思索(黄斑円孔手術体験記) 船木 亨 (c) FUNAKI Toru 2010- |