トップページOur Readings2005年度>p.39 James H.Stegerの手紙(担当:中原香織)

Chapter
T


_ESCAPE,RESCUE,AND RECAPTURE:
FAMILIES AND THE WARTIME STRAUGGLE FOR FREDOM



James H.Stegeの手紙(pp.39) 担当:中原香織
    1864年3月29日 Warrensburg[Missouri] ある地区の軍隊の将校の補佐であるJames H.Stegerから陸軍大佐Geo.H.Hallへ宛てた手紙 (P.39)


【要約】
 南北戦争中、黒人男性が連邦軍に入隊するようになり、黒人たちは自由を手に入れることを信じるようになった。以下の手紙は、その頃に起こった事件についての報告である。

[手紙の要約]
本部で次のような情報が受け取られた。
休暇を利用して、Boonvilleに駐在する者たちの援助でSt.Louisから来ていた黒人兵が、Howard Countyに入ってきて荷馬車や馬を占領し、家具、タバコ、財産や、家族への贈り物を積んで再びこちら側へ渡る、ということを繰り返し行なっていた。
Boonvilleの司令官は、管下の者たちがその『奇襲』において黒人たちに同伴するかどうかを本人たちに選ばせて、それを放任、つまりその非合法な『奇襲』を奨励しているという。このような『奇襲』は、3度とも1週間のうちに起こったそうだ。
指揮に当たっている将軍は、あなたが事実を確かめ、早めに報告するよう命じている。


【考察】
     以上からわかるように、南北戦争で黒人が軍隊に加わるようになったことで、非合法的にではあっても、黒人の自由のために手助けをする白人が現れた。しかし逆を言えば、合法的に黒人に協力をすることは、反奴隷制を掲げる連邦軍の中でさえ困難なことだったのである。 連邦軍は黒人の自由の為に黒人を交えて戦っていたのではなく、黒人は単に戦力として加えられたに過ぎなかった。軍隊に入り奴隷身分から離れることが出来ても、彼らの自由への道のりには困難が多く立ちはだかっていたのである。



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