泉 武夫

「専修の経済」とつとに評されてきたように、我が経済学部は118年の歴史を有し、専修大学の中心学部として位置づけられてきました。

それは、明治13年に専修大学が発足した直後から経済科を先駆的に開設した歴史の反映でもあります。我が経済学部の理念と目的は、学問の蘊奥を究めることを建学の本旨とし、人格の陶冶を第一義とし自治の精神を重んじ時世の進運に適する有為の人材を養成することを期すとうたった専修大学『教旨』、および、学問の自由に圧迫を加える権威に対して批判的精神を持し自由な研究を基礎に人権と平和と民主主義を尊重する人材の育成をうたった『学則』第一条「大学の目的および使命」に表現されているといえます。端的に表現すれば、幅広い専門的教養に裏打ちされた市民的教養人を育成することを目的にしております。

我が経済学部は、77名の多士済々なスタッフと3,732名(経済学科3,064名、国際経済学科668名)の在学生を擁して毎年900名近い学生を社会に送り出しております。

経済学部は、経済学科と国際経済学科の2学科より構成されております。

経済学科は、経済原論TA(マルクス経済学)と経済原論TB(近代経済学)を必修とし、さらに経済原論UA(マルクス経済学)、経済原論UB(ミクロ経済学)、経済原論UB(マクロ経済学)のうち最低1科目を必修として経済原論教育を重視しております。その上に、歴史、現状分析、経済政策、財政金融、社会・労働等の多数の科目を専門基礎教育科目、専門教育科目として配置し、さらに国際経済関連科目の履修に道を開けて、ますます複雑化・国際化を強めていく21世紀を見据えて、多様化する学生のニーズに応えております。

国際経済学科は、native speakerも交えて経済時事英語、国際コミュニケーション等で言語能力の育成に力を注ぐと同時に、世界大的な研究はもとより、国際比較研究、地域研究、 up to dateな問題群研究、地域言語といったグループ毎に科目を配置して、国際感覚を身につけた専門的教養人を育むことを狙いとしております。

勿論、多数の経済学科の専門科目を履修できる道を開いております。

国際経済学科は開設して3年という若い学科ですが、ユニークな学科として育て上げるべくスタッフ一同熱意をもって努力しております。

特に紹介しておきたいことは、経済学科では経済学基礎演習、国際経済学科では国際経済入門ゼミナールを1年次生に開設して、新入生のアイデンティティー涵養、学問への関心の涵養に努めております。また、両学科とも2年次から専門ゼミナールを開設して、早くから主専攻に学問を集中できるように考慮しております。情報化社会に対応すべくパソコンを利用した情報処理教育にも力を入れていることは勿論であります。

両学科とも特別試験を実施して社会人、外国人留学生、帰国子女の受入れを行なっております。特定科目のみを履修できる社会人聴講生制度(平成10年度在学生10名)も実施しております。

また、専修大学は各国に協定校を有しておりますが、これらの協定校に短期(通常1ヶ月)・長期(通常1年)の留学を制度化し、短期留学生には英語の単位振り替えを、長期留学生には経済学部の専門科目の単位振り替えの措置を行なっております。

卒業後の進路については、多くの卒業生は就職しますが、平成9年度の卒業生のうち就職希望者の96%は就職を果たしております。主な就職先はデパート・ス―パー等の卸・小売36.8%、製造16.8%、金融12.8%、情報・調査10.7%、教員・校務4.3%、運輸・通信3.9%、観光・不動産3.2%、農林漁鉱建設3.2%、マスコミ3.2%、他のサービス6.1%となっております。その他大学院進学志望教職・司書志望、海外留学等の学生もおります。

なお、経済学部では、4年制の二部経済学部経済学科を開設しております。一部経済学科の専門科目をできるだけ開講し、職業人・社会人受入れに便宜を図り、他学部の科目の履修に道を開くなど、ユニークな教育施策を実施しております。詳しい情報は二部のホームページをご覧ください。

経済学部スタッフ一同は感受性に富み、向学心に燃えた学生を心より歓迎します。経済学部に入学して視野をひろげ、自己を啓発し、自己実現を果たして下さい。

我々スタッフはそんな皆さんに力添えできることを誇りに思っております。



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