今日は私が新潟の実家に帰省すると必ず寄る行きつけの喫茶店についてお話します。私が良く訪れる喫茶店の店名は「ハーブ・キッツェミサ」といいます。この不思議な店名、何故つけられたかというと、私の地域では個々の家を「山田さん」「田中さん」と言った見苗字とは別に屋号と言うもので呼んでいます。たとえば、「ニスケロン」「クハチロン」「コインドン」と言う風に言い回します。これは先祖の名前からの発祥が多いようです。キッツェミサでは「キザエモン」の屋号がなまって「キッツェミサ」になったそうです。
それでは、どんなお店かご紹介いたします。私の家から自転車で1分。田んぼの真ん中に一軒ライトグリーンのお店が見えてきます。様々なハーブに囲まれた小さな一軒屋。爽やかな外観はとても良い印象を与えます。
店内ではハーブに関係する雑貨と、ケーキ、クッキーなどのお菓子を売っています。そして奥は喫茶スペースとなっており、ハーブティーを中心にデザート、ランチ、更にはディナーも食べることが出来るようになっています。ディナーには予約が必要です。私が中でも最もお勧めしたいのはシフォンケーキ!!これだけは食べずに死んだらもったいないと思うほど、ふわふわで、しっとりとしたシフォンケーキです。中学生から通いつめていた私ですが、今までこのお店以上のシフォンケーキを食べた事がありません。通信販売もなさっているようですので、興味のある方はぜひ食べてみてください。下記にリンクを貼っておきます。
ハーブ・キッツェミサは、奥様と旦那さんのお二人で経営なさっています。奥様は明るく元気、それでいて上品。旦那さんは寡黙で穏やかな方です。
こちらでお店を始められたきっかけをお伺いしたところ、東京で退職を機にのんびりと田舎で過ごしたい。小さなお店を開きたい。とのことからだそうです。こちらにいらっしゃる以前は、東京で服飾の専門学校の理事を務めていらっしゃったらしく、品のある振る舞いに納得が行きました。
失礼ながら店内を見ているとあまり繁盛はしていないように思います。休日に訪れてもほとんど人が居らず、ポツリポツリと入店してくる程度です。しかし、平日に訪れるといつも込んでいるのです。オフィス街でもないこの場所で何故平日にのみ混むのかとても不思議に思っていました。話を聞いてみると、お客様は、遠方から有給を取ってお見えになる方が多いそうです。奥様の話によるとこのお店自体での利益はあまり考えていないそうです。「あくまで老後の趣味。みんながこのお店で安らいでくれることが一番嬉しい」とおっしゃっていました。奥様にとっては、ゆっくりとした時間の流れる田舎での暮らしがとても大切なものなのでしょう。充実しているから、私たちお客が安心した時間をキッツェミサで過ごせるのかもしれません。皆が平日を選んで通うのは、現実とは隔絶しゆっくりとした時間を求めてやってくるのかもしれません。
経済学部で勉強していると、どうしても利益や損失、効率性などを考えてしまいます。ですが、自分のために使う時間、利益や効率のみで考えない選択も再度考えてみることも必要だと感じました。
ハーブキッツェミサ www.kitzemisa.com
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