2017年9月、セブ(フィリピン)で4泊5日のゼミ合宿を実施しました。

 2015年9月のマニラ合宿に続き、2017年9月6日〜10日に井上ゼミとして2度目のフィリピン合宿を行いました。今回のゼミ合宿では、フィリピン第二の都市圏であるセブ市とその近郊を訪れ、スペイン植民地時代関連の史跡や博物館を主に見て回りました。メキシコや中米などと同様、かつてスペインの植民地だったフィリピンの歴史を直に感じた5日間の旅でした。

 ゼミ合宿の準備は7月に始まりました。LCCの航空券や現地のホテルの予約をゼミ生自身が調べて手配しました。初日は朝早くに成田空港に集合し、約5時間のフライトの後、セブに到着しました。ホテルに到着後は、早速、サント・ニーニョ教会とマゼランの十字架を見学しました。
 

 2日目は、セブ市内のスペイン植民地時代の史跡を多く巡りました。まずはムセオ・パリアン(ジェスイット・ハウス、17世紀前半のイエズス会士の居宅、左上と右上の写真)へ。この私設博物館では、オーナーのご厚意により、クリスチャンさんのお話を聞きながら見学をしました。さらにはその近隣のヤップ・サンディゴ邸(17世紀の中国系商人の家、左下の写真)、カサ・ゴロルド(19世紀半ばに建造された邸宅、右下の写真)へ。
 
 

 午後は国立地方博物館(ムセオ・スグボ)へ。先スペイン期やスペイン植民地時代の展示を見学したほか、フィリピンのジャーナリズムの歴史に関する展示(左下の写真)も見学しました。



 3日目は引き続き市内の史跡等を見学。午前中はサン・ペドロ要塞(左上と右上の写真)を見学し、午後はセブ大聖堂(左下の写真)および大司教座博物館を訪れました。
 訪問先の各地では、ただ見学をして、説明を聞くというだけではありません。ゼミ生それぞれが事前に与えられた課題(フィリピンのキリスト教化、マゼランの世界周航、ガレオン貿易、など)について文献を読んで調べ、フィリピンやセブの歴史・経済・宗教などについて個別発表を行いました。とりわけ、大司教座博物館では、館員のご厚意により、施設内の展示室(大司教宅の礼拝所だった部屋)で研究発表をさせていただきました(右下の写真)。



 4日目はセブ市から北へ足を延ばして郊外に行きました。目的は、スペイン植民地時代に建てられたカトリックの教会建築の見学です。写真は、左上から順にダバオ市のサント・トマス・デ・ビジャヌエバ教会、コンポステラ町のサンティアゴ教会、リロアン市のサン・フェルナンド・エル・レイ教会とその内部です。

 

 滞在中はフィリピン特有のファストフードから本格フィリピン料理まで、現地の食事を堪能しました。また、現地での移動はツアーではなく、各自が英語を用いて会話をしながら、バスやタクシー、ジプニー(現地の乗り合い車両)を使用しました。



 最終日、帰国直前には、セブの国際空港が位置するマクタン島のビーチも堪能することができました。


 これをきっかけにして、スペイン植民地支配の歴史やフィリピンの文化に関心を持ってくれるゼミ生が増えることを期待しています。


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