2015年9月、マニラ(フィリピン)で4泊5日のゼミ合宿を実施しました。

今回のゼミ合宿の目的は、ゼミのテーマ(スペイン、ラテンアメリカ史)に関わる、スペイン植民地時代関連の史跡や博物館等の見学でした。フィリピンはリゾートや英語留学などのイメージが強いですが、メキシコや中米とともにヌエバ・エスパーニャ副王領の一部だった歴史が根強く残っています。

ゼミ生自身が手配した飛行機で成田を出発し、台北経由でマニラに到着しました。
 
 

2日目は、旧マニラ市街(イントラムロス)を中心にスペイン植民地期関連の史跡等を見学しました。まずは世界遺産のサン・アグスティン教会へ。
  

16世紀後半に着工されたサン・ディエゴ要塞(上)、パッシグ川を臨むサンティアゴ要塞(中・下)も訪れました。



マニラ大聖堂前にて。


同じイントラムロス内にある菲華歴史博物館(バハイ・チノイ)では、過去から現代までの中国系住民の暮らしの展示を見学したほか、往時のマニラを描いたメキシコ、プエブラ州所蔵の絵画の複製の展示も見かけました。
 


合宿中、数多くの施設を訪れましたが、史跡をただ見学して回るだけではありません。スペインによる征服・支配の経緯やフィリピンの歴史などについて、ゼミ生は事前学習を行い、その成果を一人一人が現地で発表しました。英雄ホセ・リサールが処刑された場所(リサール公園内)での発表、サン・アグスティン教会(修道院中庭)での発表の場面です。



3日目、市中心部リサール公園のホセ・リサール記念碑前にて。


国立博物館別館(フィリピン民族博物館)では、沈没したガレオン船から引き揚げられた遺物などの展示を見学しました。当時の大砲や、ガレオン船に積まれたアメリカ大陸向け陶磁器を興味津々に見学するゼミ生の様子。
 

3日目の午後にはチャイナタウンを訪れました。ここにもスペイン植民地時代から信仰の続くカトリック教会があります。キアポ教会の「ナザレの黒いキリスト(ブラック・ナザレ)」信仰、ビノンド教会の十字架信仰(街角の十字架の前には線香があげられています)の様子も見学しました。

 

4日目にはフィリピン中央銀行を訪れました。スペイン統治時代の硬貨などを熱心に見学するゼミ生一行。ここにはアメリカ統治時代の紙幣や、第二次大戦期の大日本帝国政府発行の紙幣も展示されています。


もちろん、フィリピン料理も堪能してきました。



 


そして、世界有数(?)と言われるマニラ湾の美しい夕焼けも見ることができました。


決められたガイド付きのツアーとは違い、ゼミ生たちは自身の足で歩き、市内を移動しました。乗合バスや電車など公共の交通機関(下の写真はジープを改造した乗合バス)を使い、町の人たちと英語で会話をしながらマニラを巡りました。






ゼミ生の希望次第で、2〜3年に一度のフィリピン合宿を続けていきたいと思っています。


井上ゼミTOPへ