学術総会会長挨拶

 今年の日本医療バランスト・スコアカード研究学会の学術総会は,15周年記念にあたります。その節目の年を,専修大学神田校舎で開催させていただくのは光栄の至りです。
 専修大学は,米国留学から戻った4名の青年たちにより,1880年に経済科と法律科の夜間の専修学校として創立しました。1885年に神田校舎へ移転しました。その後,1906年に大学部となり,1919年に専修大学と改称し今日に至っております。現在,創立138年ですが,140周年には,商学部が神田移転をする予定です。
 キャプランとノートンによってバランスト・スコアカード(BSC)が提唱されて25年経ちました。その間に,BSCも,当初のスコアカード中心の戦略的業績評価システムから戦略マップによるインタンジブルズ・マネジメントを考慮した戦略実行のマネジメント・システムへ,さらに循環型マネジメント・システムという戦略策定と実行のマネジメント・システムへと展開してきました。
 専修大学での学術総会のテーマは,「バランスト・スコアカードの再考」といたしました。BSCが提唱されて25年,研究学会が創立して15年となり,ここで原点に戻って,BSCを再考していただこうという趣旨です。特別講演は,専修大学名誉教授の櫻井通晴先生に,キャプランとの思いでなどをご講演いただけるようお願いしました。また,シンポジウムでは,BSCの現場の課題に詳しい海老名総合病院の内山喜一郎先生,大牟田市立病院の野口和典先生,大原綜合病院の佐藤エキ子先生にご講演をお願いいたしました。さらに,ランチョンセミナーでも,川野克典先生にBSC用語集を,梅田宙先生にBSCの事例研究をお話しいただきます。どうぞ学術総会に参加していただき,もう一度原点に戻ってBSCを再考していただきたいと考えております。

平成29年5月20日

学術総会会長 伊藤和憲