専修大学 寺尾 教養ゼミナール[2010年度版]

小島:AKBのパフォーマンス

発表者

小島

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【寺尾】

個人感想

西里

AKB48、名前だけは知っていて、初めて見たのは紅白歌合戦でした。モーニング娘の二番煎じ・・・という印象でしたが、今回の発表を聞いて、それ以上に商売としてのシステムがよく作られていることがわかりました。
ただ・・・、えーとあまり感心するような商売のやり方とは思えなかったです。日本ファルコムというゲーム会社の「ファルコム商法」というのがありますが、これがAKB商法とよく似ていると思います。
ファルコム商法というのは、一度出したタイトルを何度もバージョンアップし、それを毎回特典つきで売り出すというものです。「ゲームはただのオマケです。特典の値段です」この言葉に多くの購入者は反発したそうですが、名詞を入れ替えれば、そのままAKB商法だと思います。
握手券などを手に入れるためだけに同じCDを何枚も買い込むことを推奨するような商売。オークションには握手券・投票権無しのCDが大量に出回っていて、CDそのものは一枚で十分と感じている購入者が多いことが分かります。紅白にまで出場したAKB48ですが、売上は大きくても作品の評価はそれほどのものではないのでは?という疑いを持ってしまいました。
できればAKB商法に対する、小島さん自身の印象も聞いてみたかったです。

初めての発表、お疲れ様でした。

臼井

AKB48が一世を風靡していることは、雑誌やテレビを見れば一目瞭然ですね。私もAKBについて詳しくは知りませんが、わりと好きです。正直4、5年前はここまで売れると思っていなかったです。それが、どのような手法をつかって他のアイドルグループとの差別化をはかり売れたのか、ここまでの巨大な市場として成長したのか、がよくわかる発表でした。閉鎖的かつアングラ的なオタク文化の象徴ともいえる「秋葉原」を舞台にしたAKBが、なぜここまで一般大衆、ライトな層にも浸透し、大きくメディアにもとりあげられるようになったのかは、ファンであるオタクの存在を抜きにしては語れないのではないでしょうか。日本におけるオタクへの社会的な見られ方が変わってきたというのも一つの要因ではないでしょうか。

佐藤

非常に楽しく聞かせていただきました。そして私の感想はやはり「康の野郎」でした。秋元康の作詞する曲は好きなのですが、商業主義に踊らされている感が否めません。私はおニャン子にうっかり落ちたクチなので、AKBとは距離を取っておりました。
AKBの制度は非常に面白い。これは個人的に思ったことなのですが、アイドルたちと直接触れ合うことによって、ファンたちは一種自分の権力をアイドルたちにアピールできるんですよね。アイドルは裏表の激しさを噂されることが多く、イケメンとの出会いも多いという立場にあります。ファンは、舞台上のあの姿は嘘なのでは、自分たちに向けられている笑顔は嘘なのではないか、と疑心暗鬼になる。しかし、握手会や投票は、そういった疑心暗鬼を払拭する。何故ならそれらはアイドルに嘘を吐かせないからです。もしも握手会でファンに冷たいことをしたと発覚したら、確実に投票の結果に影響する。だからアイドルたちは常にファンのご機嫌を取り続けなければならない。つまり握手会・投票はワンセットで、AKBの女の子たちの内面を(自分たちに都合良く)清潔に保つための装置なのです。芸能人とファンのヒエラルキーは元々曖昧なものですが、本システムの場合の力関係は明らかにファン>AKBです。そして更にその上には、秋元康という男がいるわけです。
と妄想してみましたが、別にAKB嫌いなわけじゃないんですよ! アイドルが物凄く悪いものだとも言いません。ただ、前に握手会の画像をネットを見たのですが、前田なんとかさんのところには行列が出来ているのに、他の子のところには殆ど並んでいませんでした。前田さんは大変だろうし、ファンの少なかった子はなんだか可哀想な感じがしました。仕方がないと言えば仕方がないのですが……。そして更にがらがらになってる子が可哀想だ、という心理を引き起こすのがまた秋元康の策略のような気がしてなりません。女の子たちが、一部を除いて、使い捨てられてる感がするのです。元AKBの子がAV出演とか、元おニャン子がヌードになるとか。や、本人たちがそれで良ければ、良いとは思うのですけれどね。

散々批判を書きましたが、可愛い子がいっぱいいて、正直なところ、ほくほくでした。 発表、お疲れ様でした。

文献紹介