その他(教育・研究)
第03回 前編(2004.08.23)
【 アンデス高地の環境利用の特質に関する調査 2004年度 前編 】
2004年07月15-08月06日 ペルー共和国

2001年度より科学研究費「アンデス高地における環境利用の特質に関する文化人類学的研究 (代表者: 国立民族学博物館 山本紀夫教授)」調査隊に参加しています。

2004年度は福武術文化振興財団からも助成をいただいたので、 ペルー中部のマルカパタ村を拠点にしてジャングルから氷河まで自然環境を幅広く調査してきました。
「教育・研究」「アンデス第3回」は、2004年度の調査旅行を2回にわけて解説します。

【図0:07月15日 成田>リマ】
梅雨明け直後の成田から、コンチネンタル航空008便で合衆国テキサス州ヒューストンに向かう。 今回は強い味方に佐々木明彦さん(東北大・地理)を迎えた。 佐々木さんとは十年来、日本の山で調査をともにしてきたので気心も知れている。 成田には山の研究でお世話になっている長谷川裕彦さん(明治大)も見送りに来て下さった。 前回までと異なり、気持ちのほぐれた出国となった。 写真は、ヒューストンで中華料理のファスト・フード( Panda Express )を食す佐々木さん。 リマ泊。

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【図1:16日 リマ】
予定どおりリマ入り。 週末前に買い物をせねばいけないので、 16日は アマノ博物館 の鳥居さんの協力も得て地形図・空中写真や、 クスコ行き航空券の購入に奔走した。写真は市内随所にあって米ドルも使える"Metro"(Super mercado)。 レジのお姉さんがたまに計算を間違える(意図的かどうかは不明)。 リマ泊。

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【図2:17日 リマ】
この日は買い物もとくにないので、調査打ち合わせのあと佐々木さんと市内見学に出る。 写真は、宿泊先(ペンション佐藤)の近所にある国立考古学・人類学博物館。入館料10 sol(約340円)。 展示も充実しており、なかなか面白い。 リマ泊。

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【図3:18日 リマ>クスコ】
佐々木さん・鳥居さんと早朝便でクスコに移動して、先着している山本紀夫先生に合流した。 乾季というのに今年は天候不順で、山本先生は調査をいったん切り上げてクスコに降りてきていた (当初の予定では、後述するマルカパタ村Marcapataに滞在して私たちを待つことになっていた)。 写真(画像処理済み)はクスコの有名な十二角の石。クスコ泊。

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【図4:19日 クスコ>マルカパタ】
マルカパタ村に入るため早朝クスコを自動車で発つ。 上記メンバーのほか、通訳の中沢道子さん、運転手イラリオを加えた6名で旅に出る。 クスコからマルカパタまで半日強なので、前回のプイカ行に比べればずいぶん楽だ。 写真は昼食で休んだオコンガテ(Ocongate)のレストランの便所。 この地方の標準的な作りだ。 手順:ドアを閉めたら手前に向かって蹲踞(そんきょ)の姿勢。 ブツの投下は正確に。紙は左の空き箱に入れる。 決してブツと一緒に投下してはいけない。 用済み後は外に置いてあるドラム缶の水をバケツですくって、勢いよく流す。 めでたし。マルカパタ泊。

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【 図5:20日 マルカパタ】
山本先生の著作(インカの末裔たち;NHK出版)に記されているように、 マルカパタ村の中心地プエブロPuebloには温泉が湧いている。 公衆浴場が3つもある(私は全部制覇した)。 初日の宿は最大の公衆浴場のすぐ脇に決めた。 部屋のドアを開けるとバルコニー風の廊下になっており、すぐ下を濁流が轟々と音を立てて流れている。 なんとも雰囲気のよい湯治場だったが、宿屋側の都合で一晩で宿を移ることにした。 マルカパタ泊。

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【図6:21日 マルカパタ】

山本先生は、かつて地元民の家に長期間滞在して人類学的調査を進められた。 今日は、先生が調査された集落(Chumpipata)まで歩いて調査しようということになった。 調査とはいっても、幅狭い氷食谷の中をゆっくり歩いてゆけばよいし、 大きな荷物はウマが運んでくれるので意外に楽だ。 景色に目を奪われて長くなった休憩中にリャマのキャラバンに追い抜かれた。 氷食谷底やモレーンの周辺で泥炭と埋没土壌を採取する。

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