黄斑円孔手術体験記


森の日記―――書を捨てて森に入ろう


平成22年7月25日

 草いきれのなかを散歩しながら、大きな樹を何本も見上げながら、深い緑の複雑な彩に見とれてしまいます。樹や草花を見て回る習慣というのは、以前は考えられなかった。どこを通ってどう行くか、建物や道や光景全体しか見ていませんでした。

 今日気づいたことは、木陰というのは、何と涼しいんだろうということです。ただの屋根のしたのベンチと比べると圧倒的で、樹木のすべての緑が太陽に向かって光と熱とを(自分たちのために)奪い取ってくれて、それで人間は、「ああ、涼しい」と、いい気持です。木陰から木陰へと、飛び石を渡っていくように散歩しました。


         

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