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森の日記―――書を捨てて森に入ろう
平成22年8月25日
昨日の蜘蛛の巣の話、だいぶ前に「人間の通り道には張らないように」と蜘蛛に注意してあげましたが、わたしの間違いですね。蜘蛛が人間に、立ち入り禁止を教えているのかもしれません。

今日の発見は、一本の枝についている葉っぱのなかにも色の薄いのと濃いのがあるということです。そんなあたりまえ、と思うかもしれませんが、薄いのは先の方についているのだからいわゆる新芽というやつなのか。しかし、新しいのが薄くて、古いのが濃い理由は何か? 葉緑素の量の問題? では樹全体でも、薄いタイプの樹と濃いタイプの樹があるのはなぜだろう。
もうひとつ、葉っぱというのは半透明なんですね。だから光を透過してきれいな彩を見せてくれる。もし強力な進化をして、不透明で太陽の光を独占するような葉の樹があれば、その樹の下の葉っぱも光を受けられなくなるのだから、ちょうど屋根のような平面的なドーム状の葉をつけた樹になるだろう。それより低いほかのすべての植物は光がなくて死に絶えてしまうだろう。
いま、「ちょうど屋根のような」といったけれど、そういう植物があることを思い出した。それは人間だ。屋根を作って、植物が育たないようにしてしまう。でもカビとダニは大喜びだ。

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