黄斑円孔手術体験記


森の日記―――書を捨てて森に入ろう


平成22年9月9日

 昨日は嵐だったというだけでなく、睡眠不足でフラフラで、散歩どころではありませんでした。一転、今日は曇っていて涼しいし、睡眠は十分取れたしと、うきうきと森へでかけていきました。生きていることからくる思考は不思議です。昨日はニヒリストだったのに、今日は「曙光」のようです。

 とはいえ、ケータイをもっていったので写真を撮るのに追われて、何も思索しませんでした。サイテーだね。帰ってきてから考えました。あんな嵐にも関わらず、緑の葉っぱが少し落ちただけ、蜘蛛の巣はびくともしていません。昆虫たちと植物たちは連盟、共生しています。人間だけが、全生物に戦いを挑んでいる枢軸国です。個体数の多さでも、種の数の多さでも昆虫類が圧倒していますし、布団のなかのダニの王国を想像してみるだけでも、人間は少しも昆虫たちに勝てていないのです。もしかすると、昆虫は、「動く植物」なのかもしれないと思いました。


         

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